現在、盛んにTVCMが流れているマンガボックス。無料でマンガが読めるというふれこみだったので、早速ダウンロードをして使ってみました。そしたらすごく使い勝手が悪かったのですが、そのビジネスモデルを調べてみると、悪いと思った使い勝手も「なるほど」とめちゃくちゃ納得させられて、本当に素晴らしいビジネスモデルだったので紹介します。
講談社と小学館を動かしたDeNA「マンガボックス」はマンガ読者を取り戻すことができるか? | アプリオ
崩壊しかけている漫画雑誌のビジネスモデル
漫画は雑誌ではなく人気の出たタイトルを単行本化することで利益をあげます。雑誌自体はテストマーケティングの場だと思って貰えればわかりやすいと思います。そして、重要なのが雑誌というパッケージ化された状態で読者に届くということです。これにより、自分の目的以外のタイトルにも目を通すことになります。ジャンプやマガジンから「このタイトルはどうですか?」、「このタイトルは面白いですよ」と提案をされている状態です。最近の漫画ビジネスの問題点は、漫画雑誌自体が売れなくなり、この提案のチャンスが圧倒的に減っていることです。また、コンビニや書店で雑誌が立ち読みできないように、紐で縛られているケースも多くなっています。立ち読みは、コンビニや書店からすると痛手ですが、出版社からするとタイトルを提案できるチャンスなわけです。
漫画雑誌のビジネスモデルをWEBで完全に再現している
そんな時代に登場したマンガボックス。配信元はDeNAでタイトルは小学館と講談社が提供しています。
マンガボックスを使った最初の感想は「使いにくいな」でした。これは、私がKindleのように、自分の気に入ったタイトルを一括して読めるアプリだと思って使っていたからです。マンガボックスでは、各タイトルには配信日が決まっていて、配信日をさかのぼったりして過去の回を読むことはできません。読めるのは、今配信されている回のみです。そしてあるタイトル、例えば「高遠少年の事件簿」というタイトルを読み進めていると、そのまま違うタイトルが始まります。まさに、漫画雑誌と同じです。そして、マンガボックスで人気のでたタイトルは単行本(紙や電子書籍)として有料で販売されます。従来、ジャンプやマガジンが行っていた「このタイトルはどうですか?」という提案をマンガボックスが行っているのです。
ヒット作品を生み出せるかが勝負
おそらくこのビジネスは成功すると思います。紙がタブレットに変わり、書店がApple Storeにかわり、雑誌がマンガボックスに変わりましたが、過去に成功したビジネスモデルを忠実に再現しました。あとはいかに面白い作品を発掘できるか?デジタルの時代になってもここだけはかわりません。
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